第31回生命医科学セミナー(Biomedical Science Seminar)
演 題:
哺乳動物細胞のMTH1タンパク質は酸化されたRNAによる翻訳エラーを抑制する(Prevention of translational errors caused by oxidized guanine in RNA by MTH1 protein in mammalian cells)
演 者: 蔡 剣平 教授(Jian-Ping Cai)
中国衛生部北京老年医学研究所分子生物学研究室
日 時:平成25年9月6日(金)18:00~19:00
場 所:病院地区総合研究棟2階204セミナー室
講演概要:
大腸菌のMutTタンパク質は、酸化されたRNAの前駆体である8-oxo-GTPを8-oxo-GMPに加水分解することによってRNA転写エラーや、翻訳エラーを抑制することがわかっている。哺乳動物細胞における、8オキソグアニンを原因とする転写エラーや翻訳エラーが大腸菌と同じ様に起きているかを調べるために、我々はMTH1ノックダウン細胞を作製し、この細胞に8-oxo-GTPを低張シフトによって供給して解析した。その結果、大量の8-oxoGがRNAに取り込まれ、転写エラーが生じ、最終的には翻訳エラーが起こることを、レポーターとしてルシフェラーゼのcDNAアンバー変異が抑制されることにより示した。なおこの抑制はMTH1の過剰発現によって阻止された。これらの結果は、哺乳動物細胞においてMTH1タンパク質は酸化されたRNAによる翻訳エラーを抑制することを示唆する。
今年度の日本生化学会大会のシンポジウムでの発表等のために来日されます。
多くの方の参加を歓迎致します。講演は日本語で行なわれます。
共 催:福岡医学会
問合せ:九州大学大学院 医学研究院 基礎放射線医学分野 續 輝久(内線:6141)
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