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研究内容

研究概要

「DNA損傷とその防止・修復の分子制御機構の解明」を主要テーマに設定し、放射線によるゲノムDNA傷害を対象に含めた分子生物学的研究を展開しています。研究手法としては、標的遺伝子組換え(ジーン・ターゲティング Gene Targeting)の手法を駆使して、遺伝情報維持の分子機構に関与する遺伝子群の欠損マウスを樹立し、突然変異や発がんの分子機構を明らかにすることを目指しています。

電離放射線や環境中に存在する化学物質、さらには生体内での通常の代謝活動によっても活性酸素が生じています。これらは様々な作用を生体にもたらしますが、中でもDNAの酸化は突然変異や発がんさらには生体の老化に深く関わっていることが示唆されてきました。種々のDNAの酸化的損傷の中で、グアニン塩基の酸化はその強力な突然変異原性により注目されています。活性酸素に伴うDNA上の損傷と自然突然変異および発がんの関連を明らかにし、その過程を分子レベルで解明することを目的に、標的遺伝子組換えにより樹立したMth1遺伝子等の欠損マウス等を用いて、自然発がん・突然変異について解析を進めると同時に、酸化ストレスによって誘発される発がん等の病態解析を行っています。この他、カナダのカルガリー大学医学部との共同研究として「標的遺伝子組換えの迅速・簡便法の開発」に取り組んできています。

受賞履歴

■ 平成27年9月 平成27年度日本遺伝学会奨励賞を受賞しました(大野 助教)。
Oxidized base, 8-oxoguanine causes genome diversity in mammals

■ 平成25年11月 日本環境変異原学会第42回大会で秦野賞を受賞しました。
ミューテーターマウス家系を用いた生殖細胞突然変異の解析システム
JEMS news 109号(2014年 2/15号) 「秦野賞を受賞して」

■ 平成25年9月 日本遺伝学会第85回大会でBP賞を受賞しました。
酸化DNA 損傷に起因するde novo germline mutationの解析

■ 平成25年 5月 Asian Association for Radiation Research Award (Medicine) を受賞しました。
詳しくは、トップページの2013年05月29日付の記事を参照してください。

■ 平成23年の第83回遺伝学会BP賞を受賞しました。
演題:8-oxoguanineはDNA鎖切断を誘発することで減数分裂期の相同染色体組換え頻度を上昇させる

■ 平成19年の第79回遺伝学会BP賞を受賞しました。
演題:アルキル化損傷細胞にアポトーシスを誘導する新規遺伝子の同定

 

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