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第26回 生命医科学セミナー(Biomedical Science Seminar)

演題:メタボロミクスの疾患診断への試み

演者:吉田 優 准教授

所属:神戸大学大学院医学研究科・病因病態解析学分野・消化器内科学分野・質量分析総合センター

日時:平成22年7月21日(水)17:00~18:00

場所:病院地区総合研究棟1階 105セミナー室

[セミナー内容の紹介]

日本社会の高年齢化に伴い、死因としてのがんは増加の一途を辿っており、昨今では日本人死因の約3分の1を占めている。CT, MRI, PETなどの画像診断や内視鏡検査技術の進歩により、早期診断・治療が可能となる症例もあるが、健康診断の全症例に対してこのような集約的検査を実施することは不可能である。また、がん検診の受診率も低いため、結果として治療可能な多くの早期がんが見落とされている。そのため、簡便かつ非侵襲的に治療可能ながんをより早期に発見できる診断法の開発が求められている。
メタボロミクスで解析対象となる低分子代謝物メタボロームは、ゲノム・プロテオームに比べて ① 解析対象物の数が限定される、② 生命現象であるタンパク質の活動の変動が生じて初めて変化するために、疾患としての表現形に近い変動を示す、③ 解析対象である低分子代謝物に対する過去の文献的蓄積がある、④ 種差がないため動物実験の結果をヒト臨床研究に外挿しやすい、などの利点があり、近年、研究開発が進められている。私たちは、平成20年4月に「質量分析総合センター」を設立し、臨床検体における代謝物の包括的分析、臨床メタボロミクスの実用化に向けての研究を進めてきた。現在までの私たちの成果について、概説する。

この度、共同研究に関する打合わせで来福される機会に、先生が中心として運営されている神戸大学の質量分析総合センターでの取組み、並びに「消化管感染症と疾患」についてのお話を伺うことになりました。多くの皆様のご参加を歓迎致します。

共 催:福岡医学会
問合せ:九州大学大学院 医学研究院 基礎放射線医学分野 續 輝久(内線:6141)

 

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