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蔡 剣平博士の講演

2013年09月11日

 この度九州大学医学部訪問教授として来日された中国衛生部北京老年医学研究所教授・同副所長(中国骨髄バンク専門家委員会副主任を兼任)の蔡 剣平博士(Dr. Jian-Ping Cai)に、9月6日(金)の夕方に総合研究棟2階の204セミナー室で、当方の分野主催の第31回生命医科学セミナーとして「哺乳動物細胞のMTH1タンパク質は酸化されたRNAによる翻訳エラーを抑制する」と題しての講演をしていただきました。

 
 
 これまで大腸菌ではMutTタンパク質が酸化されたRNAの前駆体である8-oxo-GTPを8-oxo-GMPに加水分解することによってRNA転写エラーや、翻訳エラーを抑制することが示されていましたが、蔡先生のグループは、ヌクレオチドの浄化に関与するMutTタンパク質のホモログであるMTH1タンパク質について研究し、レポーターとしてルシフェラーゼのcDNAアンバー変異が抑制されること等により、哺乳動物細胞においてMTH1タンパク質は酸化されたRNAによる翻訳エラーを抑制することを示唆する実験結果を紹介されました。また、蔡先生達が確立した尿中の8-oxo-Gの含量を測定する手法により、将来糖尿病等の老化に伴う疾患の発症リスク診断が可能となるだろうとの興味深いお話も伺うことができました。


第31回生命医科学セミナー(Biomedical Science Seminar)

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