第２１回　生命医科学セミナー（Biomedical Science Seminar）

演題：Heritable genomic instability resulting from exposure to urban air pollution

演者：Dr. Carole Lyn Yauk

所属：Safe Environments Program, Health Canada, Environmental Health Centre, Canada

日時：平成１６年１２月３日（金）　１７：３０～１８：３０　

場所：コラボ・ステーションⅠ、１階 共同セミナー室Ａ

［セミナー内容の紹介］

　Yauk博士はカナダMcMaster大学大学院在籍中に、環境汚染地域（カナダ、オンタリオ州、ハミルトン湾）に生息する鳥類では、生殖細胞におけるゲノム不安定性が上昇していることを報告されました（PNAS, 93, 12137-12141, 1996）。その後、英国Leicester大学遺伝学部においてJeffreys教授のもとマウス精子形成過程で起こるゲノム不安定性について研究を行い、マウスの繰り返し配列(MS6-hm)の増減を１細胞で検出する手法を開発し、MS6-hmの変動は体細胞（脳、脾臓）および生殖細胞で起こること、その機構として複製の際のスリップエラーが関与することを明らかにされています(Mutat. Res., 500, 147-156, 2002)。またマウスの減数分裂期の組換えにおけるホットスポットを同定し(EMBO J., 22, 1389-1397,2003)、現在はカナダ衛生研究所(Health Canada)において、マウス生殖細胞におけるゲノム不安定性について研究を継続しておられます。

　今回、共同研究並びに日本環境変異原学会（能美健彦会長：国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部）第３３回大会での講演のために、平成１６年度厚生労働科学研究費補助金創薬等ヒューマンサイエンス総合研究推進事業創薬等ヒューマンサイエンス研究 外国人研究者招へい事業の支援を受けて来日されます。

　多くの方の参加を歓迎致します。（共催：福岡医学会）