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セミナー情報

2014.1.29 14:00- 神戸大学植村明嘉先生セミナー「マウス網膜血管発生におけるパターン形成機構」 

1/29に、神戸大学の植村明嘉先生のセミナーを行います.
網膜血管の発生について、基礎からわかりやすく説明していただく予定です.
興味のある方は、どなたでもご参加ください。

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日時:2014年1月29日(水)14:00-15:00
場所: 九州大学病院キャンパス 基礎研究A棟一階セミナー室 
演者:神戸大学大学院血管生物学分野 植村明嘉先生

マウス網膜では出生直後から血管発生が開始するため、血管網の形成過程を経時的に観察できることに加え、遺伝子組換えや薬剤投与による分子操作が容易におこなえる。こうした利点を活かし、近年ではマウス網膜血管の研究成果を基に、血管新生の普遍的原理を解明しようとする機運が高まっている。これまでの研究により、増殖因子や細胞間接着を介した内皮細胞・ペリサイト・アストロサイト・ニューロンの相互作用が、網膜血管のパターン形成を制御することが明らかにされている。特にVEGFとsemaphorin 3E(Sema3E)は内皮細胞の遊走運動を拮抗性に制御するが、これらの相反するシグナルが個々の内皮細胞において如何に統合されるのかについては不明であった。
 我々は低分子量G蛋白質RhoJが、Sema3Eによるアクチン脱重合を媒介すると同時に、VEGFシグナルの持続時間を制御することを見出した。その結果、RhoJノックアウトマウスの網膜血管は多様な形態異常を呈するが、癌や虚血網膜症などVEGFが過剰に存在する状況では、RhoJの欠失により血管新生が抑制されることが明らかとなった。こうしたシグナル分子に加えて、血流や酸素濃度などの微小環境が網膜血管のパターン形成に及ぼす影響を包括的に理解することにより、網膜血管発生を人工的に再現することが今後の課題と考えられる。

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