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【報告】12月17日に当講座菊川講師がMaastricht大学からPhD.(医療者教育学)を授与されました

 

この度、私菊川は、12月17日にオランダMaastricht大学で、博士論文のDefence ceremonyに出席し、無事PhDを取得することができました。Dissertationのテーマは、「The Situated Nature of Validity: Exploring the Cultural Dependency of Evaluating Clinical Teachers in Japan」です。MessickのValidity evidence frameworkを用いて、臨床指導医の評価が、どのように文化に組み込まれているかについて、7年半研究を行ってきました。
以下PhD defense ceremonyの報告です。
PhD defense ceremonyとは、大学内部・外部審査委員が、博士論文について質疑応答を行い、PhD(博士号)に値する論文かどうかを審議いただくというものです。何故Ceremonyという表現なのか実際に経験するまでイメージできませんでしたが、それはまさに神聖なる儀式でした。
いつも行っているキャンパスとは違う街の中心にあるキャンパスの建物で、その建物は以前法廷だったそうです。非常に納得できる威厳ある建物でした。(写真)そこで9名の先生方に集まっていただき、15分発表し45分質疑応答をします。発表と質疑応答なら日本と変らないのですが、その進行は私の知っている限りの日本のDefenseとは様相が大分違います。
始まる前は、歴代のPhD candedeteがときが来るのを待つための狭い部屋で、声がかかるのを待ちます。その待っている時間が緊張でとても長く感じます。その間“Paranimfs”というサポーターがそばにいてくれるので心の支えです。私は日本から1人できたので、スタッフのLilianがParanimfsになっていただきました。写真にあるように今までのPhD Candidateが記念にその部屋の壁にサインをします。どこもびっしり書いてあるので、書けるスペースがほとんどないのですが、何とか探して日本語で自分の名前を書き込みました。
いよいよ入室の指示があり外にでると、審査の先生方と列をなして入室します。私は列の2人目に並び入室しました。Professorは威厳のあるRobeを着て帽子をかぶるという決まりがあります。始まる前から厳かな雰囲気です。入室して着席すると司会者が宣言文を読み上げ、発表するよう指示があります。神聖な礼服をきた先生方に見守られながら発表するというのは、私の人生でも初めてで、相当な緊張の中で発表を行いました。ちなみに、発表・質疑応答の際Paramifsがそばにいてくれるにいてくれるのですが、その役割は発表者が卒倒しそうになることがあり、それを後ろで支える役割だったそです(その場に立てば、う~ん納得できる)。15分の時間は厳格で、それを過ぎると止められます。私は何とか大丈夫でした。中継で御覧いただいた方もいるかもしませんが、緊張しすぎて45分の質疑応答は正直あまり覚えていますせん。我ながらかなりのてんぱり様だったと思います。ただ相当私の博士論文を読み込んでもらっているなという感じることが何回もあったのは覚えています。
以前ここの建物は司法裁判所だったということもあり、真に裁きをうけるという感覚を受けました。
Co-supervisorのReneeに前日Trial defenseをアレンジしてもらい、本番に臨みました。多分これがなかったら、途中本当に倒れてParanimfsのLilianに支えてもいながら進めていたかもしれません。Reneeには感謝の限りです。
1時間がたつと、Robeを着た女性の方が部屋に入ってきて、威厳のある杖で床をたたき終了を宣言します。
審査の先生方が全員退出し、別部屋で最終審査を行います。やっと緊張がほぐれ記憶がもどりました。その後審査員の先生が再度入室し、SupervisorのAlbertから大きな卒業証明書を授与していただきました(相当大きいので持って帰るとき困らないよう大き目のスーツケースを持ってくるよう事前にReneeからアドバイスがあり無事持って帰れました。)。そしてCo-supervisorのReneeから温かいお祝いのメッセージをいただきました。
その後、格式高い小槌で机をたたいて、Defense ceremonyの終了が告げられました。
まさに伝統のある儀式(Ceremony)だと思いました。そこに立てることができた幸せを感じるとともに、私のために時間をとっていただいた先生方、ここまでサポートしてくれたRenee、Albert、サポートしてくれた日本での先生方や友達、そして家族には感謝の念に堪えません。
この経験を日本(かなりおこがましいですがInternationalでも)の医学教育のために少しでも返していけたらと思います。またこのCeremonyはお前はこれからが始まりで、頑張れよ!!というメッセージだとも受け取りました!



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