分野紹介

　急速に進む高齢化社会の中で、医師はただ単に病気を診るだけではなく、身体、精神、心理、生活様式などを含めた総合的な視点から、患者さん自身の全体的な健康回復を目指す全人的医療が求められています。そのような全人的医療を実践するにあたり、地域医療の現場で実際に行われている実践的な医療・保健･福祉･介護を実習・経験することは非常に重要であると考えます。

しかし我が国の地域医療教育の歴史はまだ浅く、この領域に関するエビデンスも十分蓄積されていません。また九州大学医学部においても医学生に対する地域医療に関する教育は不十分な状況でした。そこで医学生に対する地域医療連携教育の場を構築するために平成24年5月九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニットが設立され、地域医療教育への本格的な取り組みが始まりました。　九州大学地域医療教育ユニットは、一人でも多くの医学生が地域医療を担う意欲･使命感を持った医師に育つことを願い、学外実習施設と連携しながら地域医療教育を充実させて参ります。

また当ユニットでは、我が国の実情に合わせた効果的な地域医療教育モデルの確立など、地域医療をフィールドとする研究も積極的に行い、地域医療学の発展に貢献して参ります。