顔色及び舌など粘膜色の定量的測定と人工知能解析システム開発
1.臨床研究について
九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、医療での舌の色などの視診(見た目)の診断に関しての臨床研究を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、平成32年3月31日までです。
2.研究の目的や意義について
医師の診察において視診での舌の診察はとても重要です。また古来から舌の所見は胃腸の状態を反映していると考えられてきました。しかしこれまで客観的に舌の所見と胃の内視鏡の所見に関して多くの症例で検討されたことはありませんでした。そこで今回私たちは、舌の所見を客観的に評価できるカメラで撮影を行いながら、内視鏡所見と舌の所見の関係について明らかにしていきたいと考えています。この研究により、今後患者さんが内視鏡の検査を受けなくても、舌の所見から胃内視鏡所見についてある程度推測できるようになり、不要な検査を受ける必要がなくなればと考えております。
3.研究の対象者について
本研究の対象者は、沖縄県石垣市の住民で平成24年10月1日~平成25年1月31日の胃がん検診を受けた上で、下記の先行研究に同意・参加いただいた方896名です。
研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。
4.研究の方法について
この研究を行う際は、検診での結果および先行研究での解析結果より以下の情報を取得します。
〔取得する情報〕
・年齢、性別、身長、体重、喫煙、飲酒、H.pylori菌除菌歴、高血圧、糖尿病の有無
・アンケート調査(F scale 問診票)
・血液検査結果(血清H.pyolori 抗体価、血清ペプシノゲン、血清ガストリン)
・胃内視鏡所見結果
・挺舌した舌背を含む口腔周辺写真を20秒間で計200枚撮影した画像群
千葉大学フロンティア医工学センターへ研究対象者の取得した情報をメールにて送付し、詳しい解析(機械学習による解析)を行う予定です。
千葉大への情報の送付を希望されない場合は、送付を停止いたしますので、ご連絡ください。
[先行研究で得られた試料・情報]
・許可番号:24-86
・課題名:漢方医学的所見の客観化に関する研究 舌診と内視鏡所見との関係について
・許可期間:平成24年7月31日から平成25年1月31日
・本研究に使用する試料・情報の取得期間:平成24年10月1日~平成25年1月31日
5.個人情報の取扱いについて
研究対象者の血液検査結果や胃内視鏡所見、舌写真、カルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニットのインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニット・准教授・貝沼茂三郎の責任の下、厳重な管理を行います。
研究対象者の血液結果、胃内視鏡所見、舌写真、カルテの情報を千葉大学フロンティア医工学センターへ郵送する際には、九州大学にて上記の処理をした後に行いますので、研究対象者を特定できる情報が外部に送られることはありません。
6.試料や情報の保管等について
〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者の検診結果の情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニットにおいて同分野准教授・貝沼茂三郎の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
また、この研究で得られた研究対象者の情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
7.研究に関する情報や個人情報の開示について
この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。
8.研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究実施場所 (分野名等) |
九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニット |
研究責任者 | 九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニット准教授 貝沼茂三郎 |
研究分担者 |
共同研究施設 及び 試料・情報の 提供のみ行う 施設 |
施設名 / 研究責任者の職名・氏名 | 役割 |
千葉大学大学院医学研究院 和漢診療学 准教授 並木 隆雄 千葉大学フロンティア医工学センター 教授 中口俊哉 千葉大学大学院工学研究院 教授 須鎗 弘樹 千葉大学大学院工学研究院 助教 森 康久仁 千葉大学融合理工学府 修士課程 長谷川 豊 千葉大学融合理工学府 修士課程 綱島 克 千葉大学融合理工学府 修士課程 唐 啓超 千葉大学融合理工学府 修士課程 村井 一成 |
解析 |
9.相談窓口について
この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
事務局 (相談窓口) |
担 当 者:九州大学大学院医学研究院地域医療教育ユニット 貝沼茂三郎 連 絡 先:〔TEL〕092-642-6191〔FAX〕092-642-6207 メールアドレス:kainuma@gim.med.kyushu-u.ac.jp |