教授挨拶

研究室の研究方針と、教授挨拶を掲載しています。

教授写真
教授新井 文用
Professor
Message

「骨髄ニッチ」という視点で、幹細胞を理解する。

幹細胞は“細胞単体”ではなく、“環境”と一体でふるまいます。私たちは、造血幹細胞とそのニッチ細胞の相互作用を、個体・組織・分子の階層でつなぎ、再生と病態を説明できるモデルへ落とし込みます。

HSC × Niche Regeneration Disease

研究内容(要点)

  • 造血幹細胞の状態(静止期/活性化/分化)を、ニッチとの相互作用として解析
  • 支持細胞(間葉系など)のサブセット・可塑性・代謝状態を定量し、制御機構を同定
  • 白血病などの病態で“ニッチがどう改変されるか”を実証し、介入点を探索
Profile

新井 文用(あらい ふみお)

医学研究院 幹細胞再生修復医学分野 教授


略歴

  • 2000年:明海大学大学院にて博士(歯学)取得
  • 2000年:熊本大学 発生医学研究センター
  • 2002年:慶應義塾大学 医学部
  • 2014年:九州大学医学研究院 幹細胞再生修復医学分野 教授
Greeting

教授挨拶

2014年4月1日付けで医学研究院 幹細胞再生修復医学分野 教授を拝命致しました新井 文用 (あらい ふみお) と申します。

私は平成12年に明海大学大学院で博士 (歯学) を取得後、熊本大学発生医学研究センター、慶應義塾大学医学部を経て九州大学に参りました。造血幹細胞の未分化性維持機構の解明を目指し研究を進めております。

幹細胞は自己と同じ性質をもつ細胞を造り出す能力(自己複製能)と特定の機能を持つさまざまな種類の細胞へ分化する能力を有する細胞です。この幹細胞の機能は、我々のからだの組織・臓器が恒常性を維持するために極めて重要です。私たちの研究室では、全ての血液細胞のもとになる造血幹細胞を主な研究対象として、その自己複製と分化がどのようにコントロールされているのかを明らかにすること、また、その研究成果を再生医療やがん治療の分野に応用可能なものとすることを目標としています。

近年の幹細胞研究の進展により、幹細胞の機能は「ニッチ」と呼ばれる周囲の微小環境との相互関係によりコントロールされていることが明らかになってきました。このことは、幹細胞はそれのみで自律的に機能を維持し、なおかつ分化することなく存在し続けることが不可能であることを示しています。これは、我々が社会の中にあって、一人で生きていくことが難しく、多くの人との関係が必要であることと同じだと考えます。一方で我々は、それぞれが心地よい場所・空間、人との関係など、「ニッチ」を持っている(あるいは支えられている)のではないでしょうか。当研究室が若い研究者たちの「ニッチ」となり、それぞれが様々な分野で活躍出来るようになればと考えています。幹細胞研究に興味のある方の参加をお待ちしております。