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第37回・第38回生命医科学セミナー(福岡医学会共催) [開催報告]

2017年03月06日

この度、カルガリー大学医学部教授のDerrick E. Rancourt博士が日本学術振興会の外国人招へい研究者として、関連分野の研究者達との研究討議他のために来日され、外国人招へい(短期)事業の受入研究者の代表である京都大学iPS細胞研究所(CiRA)准教授のKnut Woltjen博士と共に九州大学を訪問されました(九州大学での受入協力研究者:分野代表の續並びに中島欽一教授)。

初日の平成29年3月2日(木)の17:30~19:00 の時間帯で、病院地区総合研究棟1階102講義室に於いて、Woltjen博士が、「Endogenous DNA repair pathways for gene editing in human induced pluripotent stem cells.」と題して、iPS細胞でのゲノム編集技術とりわけmicrohomology-mediated end joining (MMEJ)による一塩基置換の導入を中心にお話しされました。MMEJはDNAに生じた2本鎖切断に対する修復系のうち、誤りがちな、しかし迅速に対応するnon-homologous end joining (NHEJ)や、細胞周期の特定の時期に働く相同DNA配列をもとにした正確な修復であるhomology-directed repair (HDR)との分子メカニズムの違いの詳細は今後の課題のようです。


講演中のWoltjen博士

質疑応答

また2日目の平成29年3月3日(金)同時間帯、同会場で、Rancourt博士が「Tumorigenecity of iPSCs: New clues for engineering cancer」と題して、細胞の分化過程に注目して、cancer stem cell (CSC)が多分化能を有するiPS細胞に再プログラム化できるのか、またそのようにして変化させた細胞は造腫瘍性を有するのか等、についてマウス由来並びにヒトの乳がん由来細胞を用いたとても興味深い研究を紹介されました。

 


質疑応答

セミナーの聴衆

 

Woltjen博士は、昨年の2月に第35回のセミナーで話していただいて以来1年振り、またRancourt博士は平成22年10月27日(水)に医学研究院附属動物実験施設(当時)との共催であった第28回のセミナー以来でしたが、多くの参加者にインパクトのあるお話をしていただき、質疑応答も活発になされました。セミナー後は両日とも、関係研究者あるいは分野のスタッフ・共同研究員との懇親会を楽しんでもらいました。

 


研究室でのWoltjen博士との
ディスカッション

研究室でのRancourt博士との
ディスカッション

戸上さんの手作りを前にした
Rancourt博士ら
 

懇親会(於:梅の花天神店)今村准教授、中島教授、Rancourt教授、
Woltjen准教授、小野教授

懇親会後の集合写真(ホテルオオクラ Camellia入口)
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